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映画『レイニーブルー』に関するトラブルの経緯について

2025-07-16(Wed)|お知らせ

映画『レイニーブルー』につきまして、先日、本作の監督補である渡辺紘文氏および一部の制作スタッフよりSNS上で発信された共同声明の内容により、ご心配をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。

実際にはSNS上での発信のみならず、映画館や映画祭への上映差し止め請求(内容証明)の送付、さらには関係する市町村、各施設などに対し、製作委員会を誹謗中傷する怪文書が送りつけられるなど、多くの人々を巻き込む事態へと発展しています。

多くの方々のご協力のもと、ようやく本公開を迎える直前というタイミングでこのような事態となってしまっていることを、大変重く受け止めております。

これまで状況を詳しくご説明してこなかったのは作品を守るためでしたが、柳監督とも十分に話し合い、これ以上皆さまにご迷惑やご心配をおかけしないため、また様々な憶測を避けるためにも、これまでの経緯をお伝えさせていただくことにいたしました。

長文となりますが、最後までお読みいただけましたら幸いです。

 

先行上映について

2025年7月4日より熊本・Denkikanにて上映されている映画『レイニーブルー』は、柳明日菜監督が責任を持って編集・完成させた正規バージョンです。違法コピーなどではありません。音声・映像の劣化などは一切なく、監督自身が納得のいく形で仕上げた正式な映画『レイニーブルー』です。

 

著作権・編集・最終決定権について

本作の原作・脚本・監督は柳明日菜であり、著作権は「映画『レイニーブルー』製作委員会」に帰属します。渡辺氏および大田原愚豚舎は、製作委員会の構成には含まれておりません。

映画の最終的な編集および内容の決定権も監督である柳明日菜に帰属し、スタッフクレジットについても映画への実質的な関与に基づき、適正に記載しております。不当に省略された事実はなく、必要以上に記載すべき義務もありません。

 

最終的な編集作業・仕上げについて

当初、渡辺氏が中心となって編集作業を担当しておりましたが、柳監督の意向が十分に反映されておらず、完成した150分バージョンは監督の目指す作品とは大きく乖離していました。

また、渡辺氏による撮影時からの度重なるパワハラ・セクハラなどの行為により、柳監督が共同作業を継続することが困難となり、最終的な仕上げは柳監督と製作委員会が責任を持って行うべきだと判断しました。

昨年秋には、製作委員会がサポートしながら柳監督自らが最終仕上げを進める意向を正式に示し、渡辺氏を含む編集、仕上げスタッフには業務終了の通達を行っております。

しかしながら現在に至るまで、監督補の渡辺紘文氏、撮影監督の渡部友一郎氏に撮影素材を奪われたままで、返していただけない状況です。すなわち、柳監督の手元に撮影素材はなく、自身の指示で撮影した素材を確認することができない状態が続いています。

 

編集素材の保管と要求について

本来、撮影素材や編集データは監督・製作委員会の手元にあるべきものですが、渡辺氏はこれらを不当に保有し続けています。その返却条件として、柳監督の降板や高額請求、権利譲渡など、受け入れがたい要求を提示してきました。

製作委員会としては、作品完成を最優先とし、撮影期間中は不本意ながら一定の条件を受け入れざるを得ない状況が続いておりましたが、要求のエスカレートにより、直接の交渉での解決は困難と判断し、弁護士の協力を得るに至りました。

そのような中でも、柳監督は「納得のいく作品を完成させ、劇場で上映したい」という強い想いで、昨年夏の関係者試写会時に保存されていた150分バージョンのデータをもとに試行錯誤を重ね、現在上映されている映画を完成させました。

現在Denkikanにて上映されているものが、最終的に柳監督が仕上げた正規の「データ」であり、映像・音声の品質も十分に確保されています。

なお、渡辺氏らは自身が編集した150分バージョンを「正規版」と主張していますが、それは柳監督の目指した作品とは大きく異なり、製作委員会としてもそのバージョンを正規版とは認めておりません。

 

スタッフクレジットについて

スタッフクレジットが非常に重要であることは重々承知しております。しかしながら、渡辺氏が求める以下の3点について、製作委員会としては認めることはできません。

脚本:「柳明日菜/渡辺紘文」
実際は「脚本:柳明日菜」「脚本監修:渡辺紘文」とクレジットしております。共同脚本とするには、全体の3〜4割以上の執筆が必要だと理解しております。渡辺氏には企画段階から多くの助言をいただきましたが、実際に執筆された部分は1割にも満たず、共同脚本ではなく、脚本監修としております。

制作プロダクション:映画制作集団 大田原愚豚舎
本作で制作プロダクションとしての責任と業務を担っていたのは大田原愚豚舎ではありません。資金責任を伴わない場合、制作プロダクションとして社名を掲出することは通常いたしません。著作権も渡辺氏、および、大田原愚豚舎にはございません。

編集:「渡辺紘文/柳明日菜」→「柳明日菜/渡辺紘文」
柳監督が最終編集を自らの責任で行っています。監督名を先に記載するのが適切と判断しました。

 

撮影終了から仕上げの再開まで

撮影終了後、編集・仕上げにかかる条件として渡辺氏から高額な前金を要求されました。撮影期間が大幅に延び、当初の制作予算はすでにオーバーしていたため(予算が膨らんだ理由書あり)、要求を受け入れることは困難でした。そのため、仕上げに取り掛かることは出来ず、作業を中断せざるを得ない状況になってしまいました。

しかし私たちは地元・熊本をはじめとする多くの支援者の期待に応えるべく、完成させたいという強い想いで、仕上げるための方法、熊本のスタッフを中心に新たな編集体制などを模索しました。ですが、渡辺氏から素材を返却してもらうことができなかったため、渡辺氏に依頼するしかありませんでした。条件交渉には第三者(行定勲監督およびその事務所)を立て、合意のもとで作業を進めました。合意された条件については、製作委員会として誠実に履行しております。

 

渡辺氏によるその他のハラスメント行為

渡辺氏のハラスメントにより、多くのスタッフが現場を去る事態となりました。複数のスタッフが心身に不調をきたし、元プロデューサー、助監督、アシスタントプロデューサーが降板、若いスタッフの中にはパニック障害や精神疾患が悪化した例もあります。
(複数の証言と証拠書類が残っています)

グループLINE内での昼夜を問わない誹謗中傷を含む長文mailなど多数証拠として残っております。

 

対話の拒否について

渡辺氏の声明には「製作委員会が対話を拒否している」とありますが、これは事実に反します。
渡辺氏の代理人弁護士より製作委員会に内容証明が届いた時点で、製作委員会から渡辺氏への対応窓口は代理人弁護士となっています。

製作委員会からは、すでに代理人弁護士から届いた内容証明に対して正式な見解を返信しておりますが、当方から送付した内容証明、警告書に対しての渡辺氏側代理人弁護士からの正式な返答は現在のところ頂いておりません。

 

最後に

ハラスメント被害を受けた方々への配慮から、製作委員会の説明が遅れてしまいました。その結果、多くの憶測を生むこととなり、本当に申し訳ございません。

渡辺氏による製作委員会への攻撃は現在も続いております。

法的措置も視野に入れ、対応に追われておりますが、問題の本質が歪められていくことを危惧し、一部ではありますが事実を公表する決断に至りました。

どのような嫌がらせや誹謗中傷があろうとも、私たちは柳監督と共に、作品を一人でも多くの方にお届けできるよう尽力してまいります。

本作には、すでに500名を超える多くの方々のご協力がありました。もう私たちだけの映画ではありません。

柳監督の初長編映画であり、地元の風景や人々の想いを映した『レイニーブルー』は、多くの方にとって特別な作品になるはずです。本作が、生きづらさを抱える若い人々の心にそっと寄り添える作品となることを心から願っております。

これからも皆さまのあたたかい励ましとご支援を、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、ご心配・ご迷惑をおかけしたすべての皆さまに、改めて深くお詫び申し上げます。

 

映画『レイニーブルー』製作委員会
プロデューサー 濵島玲恵

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