【監督メッセージ】クランクアップに寄せて
2023-10-28(Sat)|メッセージ
『レイニーブルー』監督の柳明日菜です。
あと1シーンを残し、無事にクランクアップしました。
クランクアップした時は、中山蒼がやりたかったこと、怖かったこと、辛かったこと、仲間との喧嘩、1つを生み出すのにかける心の奥にあるもの、全てを感じました。これまで、様々な創作活動に参加してきましたが、こんなにも自分に対して怒る現場は初めてでした。蒼の心の中が、この現場の全てで、いつも中心にいました。
蒼は、怠け者です。夜な夜な映画を見て、学校へ行かず、周りからは変な目で見られ、親に怒られても改善せず、ダラダラすごし、暇さえあればまた映画を見て、偏見まみれの脚本を書き、無駄に感動し、自信過剰になり
だけど、見まくった映画とその想像力を活かして、自分らしい創作を行う
蒼自身が、唯一できることであり蒼にしか出来ないことだと自信を持ち、周りにどんなことを言われようと、悪口を叩かれようと、小さくてもいいから続けていく
きっと蒼には 「だから、何が悪いんだ?」 という怒りがずっと心の中にあるのだと思います。
レイニーブルーは、蒼の実態を多く撮りました。蒼の行く先々の風景は、蒼が、考えていそうな頭の中の風景に近しく、出会いと発見があります。蒼の純粋な気持ちが、画面から伝わるように、何度も画角を調整し、寝ずに演出を話し合い、脚本を訂正し、魂込めて、画を撮りました。
編集作業が楽しみです。